国立大学附属病院長会議
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文部科学省及び大学病院を考える議員連盟に要望書を提出

 

「21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(平成20年7月29日閣議了解)」において、国立大学運営費交付金の3%削減が示されたことを受け、国立大学附属病院長会議では国立大学運営費交付金の大幅な削減に強く反対するとともに、その確保・充実を求めるため、平成20年8月4日(月)文部科学省及び大学病院を考える議員連盟に要望書を提出しました。

【提出者】
  河野常置委員長(千葉大学)、武谷副常置委員長(東京大学)、
  浅香病院長(北海道大学)、坂本病院長(東京医科歯科大学)、
  小室事務局長(病院長会議事務局)、櫛山事務部長(東京大学)、
  宮田事務部長(千葉大学)

【要望先】
  ○文部科学省
     文部科学大臣             鈴木 恒夫
     事務次官                銭谷 眞美
     大臣官房長              森口 泰孝
     高等教育局長             徳永  保
     大臣官房審議官(高等教育担当) 戸谷 一夫
     大臣官房文教施設企画部長    布村 幸彦

 ○大学病院を考える議員連盟
     会長                   河村 建夫
     事務局長                松野 博一
    *その他の議員については、事務所に要望書を郵送。


【要 望 書】

国立大学病院の重要な社会的ミッションとして、豊かな人間性、人道性、倫理性を備えた将来の医療を担う人材の養育、さまざまな医療人の教育研修および専門医の育成がある。また、未来の医学、医療を切り拓くための基礎ならびに臨床研究の遂行およびそれを指導する人材の養成が、固有の使命といえる。さらに、地域における医療連携ネットワークの中核病院として三次医療を担当し、高度な先進的医療技術を必要とする医療、あるいは複合した病態を持ったハイリスク疾患に対する集学的治療などを提供することも期待されている。
このことは、『骨太方針2008』(平成20年6月27日閣議決定)の中の「質の高い医療・介護サービスの確保」政策及び、「社会保障の機能強化のための緊急対策〜5つの安心プラン〜」(平成20年7月29日)とも直接関連するものである。
国立大学病院のミッションはわが国の医療の根幹を支えるものであり、しかもこれらのミッションは相互に依存する。いずれが欠けても大学病院が社会より負託された使命を果たせなくなり、わが国の医療基盤が揺らぎ、近代国家が保障すべき社会福祉が脅かされることになる。
国立大学病院を取り巻く現在の環境として、地域医療の崩壊があり、この状況下でも国立大学病院は最後の砦としての役割を果たしてきた。しかし、医師不足や不採算という理由から、かつては大学病院以外の医療機関で対応していた患者が国立大学病院に紹介され、患者の集中化が生じている。
このため、国立大学病院の医師等の過重労働や経営の悪影響から、若手の医師がリスクの高い診療科や処遇の悪い国立大学病院から離れる現象がおきており、国立大学病院の医師不足が地域医療への貢献(医師派遣機能)の低下を招き、益々地域医療の崩壊を加速する悪循環となっている。
このような状況のもとに、国立大学病院常勤医師の診療時間は増加の一途を辿っており、相対的に教育研究時間の減少、教育研究機能の低下が顕在化し、高度医療人の養成機能や高度な研究機能・国際競争力など大学病院の使命の危機を招いている。
また、国立大学法人化に伴い、国立大学病院には一定の財政措置が図られたが、十分な財政措置とはいえない状況にあり、附属病院運営費交付金は、平成16年度の法人化当初584億円であったものが、4年後の平成20年度には308億円となり、約2分の1近くに減少している。
 さらに、国民医療費の抑制で診療報酬が、平成18年度3.16%、平成20年度0.82%と大幅に削減されるとともに、十分な診療報酬上の評価がなされないなど、国立大学病院の経営は困窮を極めている。
 また、国立大学病院については、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年6月2日法律第47号)」などの政府の総人件費抑制政策により、医師の処遇改善やコメディカル・スタッフの増員等が困難となっている。加えて、病院の施設、設備予算に係る財政支援が乏しい状況にあり、このまま設備更新がままならなければ、先端医療への対応や、若手医師の国立大学病院離れが益々加速し、将来の医学教育・医療人養成にまで影響が懸念される。
労働環境の悪化により、ますます医師等が疲弊してきており、更なる国立大学病院投入予算の減額は、大学病院の使命である高度医療の切捨てにつながりかねない。
 さらに、「平成21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(平成20年7月29日閣議了解)において、予算配分の重点化促進の財源として、国立大学法人運営費及び私立学校振興費の1%削減に加え、2%が上積みされることとなり、あわせて3%の大幅削減が決定された。このような大幅削減は、医師養成・供給機関である大学病院の存亡の危機を招き、地域医療の崩壊を一層加速させることに他ならない。国立大学病院に対して削減幅を上まわる大幅な財政支援が必要である。


以上のことから、国立大学附属病院長会議として次の点を要望します。

1. 運営費交付金3%削減を上まわる大幅な財政支援
2. 教育・研究環境整備の予算の確保(施設・設備費の増額)
3. 『社会保障の機能強化のための緊急対策〜5つの安心プラン〜』(平成20年7月29日)で示されている「大学の医学教育環境の整備」等の医師不足対策において大学病院に対する十分な財政支援

 

2008年8月6日

 

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