国立大学附属病院長会議
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大学病院を考える議員連盟及び文部科学省・厚生労働省に要望書を提出

 

 国立大学附属病院長会議は国立大学病院関係予算の確保充実に係る要望書を作成し、去る12月3日に大学病院を考える議員連盟、同5日に文部科学省、厚生労働省に対して要望を行ないました。
 要望書は、昨今の地域医療の崩壊への対応や、国立大学法人化等に伴う大学病院の経営困窮により、大学病院の使命を果たすことが難しい状況となっていることを踏まえ、国立大学病院関係予算の確保・充実を求めることを国立大学附属病院長会議の総意として取りまとめたものです。

【提出者】
 河野常置委員長(千葉大学)、武谷副常置委員長(東京大学)
 浅香病院長(北海道大学)、坂本病院長(東京医科歯科大学)
 松尾病院長(名古屋大学)
 豊田学長(三重大学・国大協病院経営小委員会委員長)(12月3日のみ)
 櫛山事務部長(東京大学)、宮田事務部長(千葉大学)
 小室事務局長、石田参与(病院長会議事務局)

【要望先】
○大学病院を考える議員連盟(12月3日)
  会長                   河村 建夫
  事務局長                松野 博一

○文部科学省(12月5日)
  文部科学大臣             塩谷  立
  事務次官                銭谷 眞美
  大臣官房長               森口 泰孝
  高等教育局長             徳永  保
  大臣官房審議官(高等教育担当) 戸谷 一夫
  大臣官房文教施設企画部長    布村 幸彦

○厚生労働省(12月5日)
  保険局医療課長            佐藤 敏信
  保険局医療課企画官         宇都宮 啓


【要望書】
 国立大学病院はこれまで、明日の日本を担う医療人の育成、先端医療の研究開発、質の高い医療の提供を通じた「最後の砦」としての役割、などを全国にあまねく設置されたときからの使命として、社会に貢献してきている。また、過度の経営改善係数により、附属病院運営費交付金が平成21年度概算要求では207億円と、法人化当初の3分の1近くに減少する中で、地道な経営努力を行いながら地域医療を支えてきている。
 しかしながら、卒後臨床研修制度導入を引き金とした研修医の大学病院離れや診療報酬請求のマイナス改定、病院運営費交付金の削減といった外部要因のために、採算を重視した経営にならざるを得ない状況に陥っている。そのため、勤務医の不足などによる医師の過重労働や民間との給与格差などによる医師の大学病院離れや経営上の危機が生じてきている。国立大学病院の困窮状況を示すために国立大学附属病院長会議が行った病院キャッシュ・フロー計算書(簡易版)によると、平成19年度決算では28大学病院が赤字(76億円)となり、このままの状態が進めば21年度末には33大学病院が赤字(156億円)になると予想されている。
 また、経営重視の病院運営体制のため、国立大学病院勤務医の診療時間は増加の一途を辿っており、相対的に教育研究時間の減少、教育研究開発機能の低下が顕在化し、高度医療人の養成機能や高度な研究開発機能・国際競争力など国立大学病院に課せられた使命達成の危機を招いている。
 このような状態が続けば、国立大学病院が地域においてこれまで積み上げてきた「最後の砦」としての機能が崩壊し、ひいては地域医療の崩壊を一層加速させるものと危惧している。
 
 以上のことから、国立大学附属病院長会議として次の点を要望する。

1.経営改善係数(△2%)を撤廃すること。
 医療費抑制策のもとでの、病院収入の2%に当たる純利益を上げるという厳しい経営改善係数の適用は、国立大学病院の機能を維持する上で大きな影響を及ぼすものであり、教育研究開発機能の低下はもとより、地域医療の崩壊も生じつつあることの原因のひとつであることを認識いただき、経営改善係数の早急な撤廃を要望する。

2.国立大学附属病院特有の役割を果たすために必要な財政的支援を行うこと。
 国立大学附属病院は、日本全国に配置されたときより、医師等の医療人材育成、地域医療の中核病院、地域医療提供体制の確立、高度先駆的医療の提供などの役割を担ってきており、そのために必要な財政的支援を要望する。特に、
 1)教育・研究・高度医療の提供を担う国立大学病院の機能を果たすために必要な施設設備、
 2)平成21年度予算として要求している「医師不足対策人材養成プラン」の実現、
などに対する十分な財政的支援を要望する。

3.第2期中期計画期間中の運営費交付金の算定にあたっては、国立大学病院がその使命を果たしうるものとすること。
 第2期中期計画期間中(平成22年度〜27年度)における、運営費交付金の算定にあたっては、現在の経営改善係数の撤廃はもとより、初年度において大学病院が適切な運営を行えるような財源措置を行うと共に、期間中における災害やパンデミック等の院内感染、大幅な医療制度改革などの特殊要因についてのセーフティーネットについても十分な配慮を要望する。加えて、骨太方針2006に基づく毎年1%の運営費交付金の定率削減や平成17年12月の閣議決定にもとづく総人件費抑制策の適用についても配慮を要望する。

4.地域における「最後の砦」である国立大学病院(特定機能病院)に相応しい診療報酬上の評価を行うこと。
 1)DPCにおける大学病院(特定機能病院)の適正な評価を行うこと。
現在、中医協において新たな「機能評価係数」の検討が進められているが、「機能評価係数」の検討にあたっては、大学病院(特定機能病院)が果たしている機能・役割が適切に評価されるよう要望する。
 2)小児入院医療管理料の適用
特定機能病院以外の小児医療専門施設に対しては「小児入院医療管理料」
(2100〜4500 点)が認められているが、大学病院(特定機能病院)には算定が認められていない。このため、小児医療の中核的役割を果たしている特定機能病院に対する「小児入院医療管理料」の算定適用を要望する。
 3)集中治療室(ICU)や新生児集中治療室(NICU)での集中治療に係る管
理料の増額及び算定可能期間の延長大学病院には地域の各医療機関からの紹介患者を多数受け入れてきているが、これらの患者は重症・難症の患者が多く、ICUやNICU在院日数の長期化や手厚い治療が必要となっている。このため、ICUやNICUの特定集中治療室管理料の増額や算定可能期間の延長を要望する。
 4)医師事務作業補助体制加算の適用
病院勤務医の負担軽減を図るため、地域の急性期医療を担う病院において、医師の事務作業を補助する職員を配置している場合には、「医師事務作業補助体制加算」が適用されるが、特定機能病院である大学病院は除外されている。救急や周産期の患者を受け入れるなど、医師の過重労働を少しでも軽減させるため、本加算の適用を要望する。

 

2008年12月15日

 

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